六甲ラグビークリニック2018
~totoスポーツ振興くじ助成事業~
2018年 3月18日(日)
・六甲学院中高グラウンド(神戸市東灘区)
・主催~NPO法人六甲クラブ
・参加チーム
報徳学園中
灘中・高校
関西学院中
六甲学院中・高校
神戸高校
東灘高校
合計約100名が参加

今年も豪華なゲスト講師陣が駆けつけてくれました。
●廣瀬俊朗さん
北野高→慶大→東芝ブレイブルーパス 日本代表Cap28
現役時代のポジションはSO・WTB
2015年W杯では「陰のキャプテン」としてチームを支える。
現東芝ブレイブルーパスBKコーチ
●石川安彦さん
日川→早大→東芝府中→ロサリンパークRFC→三洋電機→釜石→クリーンファイターズ
7人制日本代表
現役時代のポジションはCTB・WTB・FB
現明治学院大ヘッドコーチ
廣瀬さんは3年連続の参加。さらに今年は地元神戸市から「特別コーチ」が2人参加しました!
●木津武士さん
東海大仰星→東海大→神戸製鋼コベルコスティーラーズ
HO 183㌢、114㌔
日本代表Cap44 サンウルブズ出場16試合
●佐藤貴志さん
東海大仰星→同大→ヤマハ→神戸製鋼
SH 日本代表Cap4
神戸製鋼を17年度シーズンで引退、新シーズンは同大コーチに就任
★まずは石川コーチ主導の下、ウオーミングアップから始まります。
六甲クラブのメンバーもサポートに入ります。
・リアクション
・人数ゲーム
・膝タッチ、尻タッチ
はじめは自分たちのチーム同士で固まっていた生徒たちでしたが、すぐに互いに入り乱れて楽しい見ながらアップしていきます。

★次に全体を4つのグループに分けてのレッスン
・アタック(佐藤コーチ主導)
・パス(廣瀬コーチ主導)
・タックル(六甲メンバー主導)
・ブレイクダウン(木津コーチ主導)
15分ごとにそれぞれ入れ替わり各レッスンをこなしていきます。
佐藤コーチのアタックではボールビンゴからの4対1、3対2
廣瀬コーチはパススキルの基本

木津コーチは強いコンタクトと早めのサポート。
どのコーチも基本の大切さを強調。参加した六甲メンバーも為になる者も多くありました。

さらにFW・BKに分かれてユニット練習。BKは1対1、2対2などをこなしていきます。少ない時間の中でしたが、最初のころよりも明らかに上達している選手も多く見受けられました。
最後は高校生対コーチ陣によるタッチフット。コーチ陣も驚くビッグプレーもあり、会場は大いにいあがりました。
グラウンドの部は盛況のうちに終了。全体で記念撮影をして、クリニックは講義の部に移ります。

グラウンドでの実技指導の後は、講義室に場所を変えての「講義編」。六甲クラブ理事長・中島誠一郎司会のもと、廣瀬さん木津さんとのトークショー形式で行われました。 南アフリカを撃破した2015年のW杯。エディージャパンはなんと168日間も休みなしで活動したそうです!
「南アは簡単に勝てる相手ではなかったですし。仲間のことが好きやったし、大切に思えたからここまで頑張れたんでしょうね」(廣瀬さん)
選手・スタッフ含めてエディー日本に関わった多くの人々の「本当に日本ラグビーの歴史を変える!」という強い思いがあったことを語ってくれました。
リーチ主将の前のキャプテンでもあった廣瀬さんは試合こそ出場はありませんでしたが、『精神的支柱』として選手たちを裏から支え続けました。高校から全てのチームで主将を任された廣瀬さんは「リーダー論」を語ってくれました。

「(仲間に)どんなふうに声をかけていくかをいつも考えていましたね。例えば、『おはよう。』だけでなく、『タケシ元気?今日の具合はどう?』みたいに。それを繰り返すことで、相手との距離も縮まるし、相手の状況を理解して話すことで、練習中に怒っても理解してもらえます」(廣瀬)
またキャプテンとして「信じること」がとても大切だとも話してくれました。
「自分が相手を信じて接するのと、信じずに接するのとでは相手の受け取り方が変わってくる」
ラグビーだけでなく、普段の学校生活や社会人になっても重要なポイントを熱く語ってくれました。

講義中には、実際に南ア戦の前に流した「モチベーションビデオ」が特別上映されました。出場したジャパン戦士の所属チームからのエール、過去4年間、代表に選ばれず悔しさ半分チームを去った選手、裏方で支え続けた多くの関係者・・・・。作成をよびかけた廣瀬さんのエピソードは、これまでも各方面で伝えられてましたが、実際に見ることができた生徒たち、六甲メンバーも大感激でした。

そして木津選手です。やはりラストプレーのスクラム選択の秘話を聞かずにはいられません。
「もう、ラインアウトでミスるのが嫌やったから、笛なった時点で『スクラム!スクラムッ!』って言いました」(笑)と、関西ならではの笑いを取り込みながら切り出してくれました。「ギャンブル!ギャンブルッ」と叫んだ真壁選手や「日本の歴史変えるの誰?」ろ鼓舞したトンプソン選手など、当時の雰囲気と熱気がヒシヒシと伝わってきます。
「(シンビンで1人少ない)南アはペナルティになってもジャパンはショットを狙ってこないと分かった上で、あえて反則気味のスクラムを組んできましたね」。
ビデオを見ますと南アの3番が内側に組んできているのが分かります。
最後はスクラムを崩されながらもボールアウト。そして…日本ラグビーの歴史が変わりました。
「勝った時は今まで感じたことのない雰囲気でした。スタジアム全体から、腹の底から地響きのような歓声で、最初は実感がわきませんでした」(木津さん)
「ブライトンでは、街の人々に、ジャパン関係者は本当に祝福してもらいました。どこに飲みに行っても称えられて、驕ってもらいました笑い)」(木津)

★質疑応答~どんな高校生だったか?
「とりあえず自信にあふれてましたね。仰星の同期はみんな自信しかなかった笑。個性派ばかりでした」(木津さん)
「勉強は良くしました。朝起きで勉強。電車の中でもやりました。眠くなったらパッと走りに行って目を覚ましてまた勉強。授業は復習、勉強したことの確認の場でもありました」(廣瀬さん)
最後に参加した生徒代表からお礼の言葉。来年はもう2019年W杯日本大会です。いつかこの生徒の中から未来のジャパン戦士が生まれるかもしれません。
今年も楽しく充実した時間はあっという間に過ぎていきました。参加した生徒たちの一生の思い出になれば幸いです。六甲メンバーにも大変有意義な一日となりました。

廣瀬さん、木津さん、佐藤さん、石川さん本当にありがとうございました。
参加された生徒の皆さん、各学校の皆様本当にありがとうございました。
六甲クラブは今後もこうした地域貢献活動を続けてまいります。
※本事業はスポーツ振興くじ「toto」の助成をうけて実施しております。